抄録
はじめに:悪性腫瘍の臍転移はSister Mary Josephʼs noduleと言われ予後不良の徴候とされる.今回われわれは腸閉塞の手術時に発見された乳癌によるSister Mary Josephʼs noduleの1例を経験したので報告する.
症例:74歳,女性.65歳時に右乳癌の診断で右乳房切除術,腋窩郭清を施行された.腹痛を主訴に当院受診され精査の結果小腸狭窄による腸閉塞の診断のもと手術を施行した.術中多数の腹膜播種結節を認め,また臍部腫瘤,小腸腫瘤を認めた.臍腫瘤摘出術,小腸部分切除術を施行した.病理組織診断は乳癌の臍転移,小腸播種であった.本人,家族と相談の上BSC(best supportive care)にて経過をみる方針とし,初診より168日目に永眠した.
結語:SMJNは稀な病態であるものの,日常診療において臍部の変化があった場合には常に念頭に置く必要がある.