抄録
症例は41歳,女性.約3年前に左乳房腫瘤を主訴に近医受診.約2cm大の囊胞性腫瘤を認め,細胞診を施行したが,明らかな悪性所見なく経過観察となった.当科受診5カ月前より,腫瘤は急速に増大し,皮膚潰瘍を形成したため,近医再診.再度細胞診を施行し,悪性の診断にて当科紹介となった.初診時,左乳房A領域に潰瘍を伴った手拳大の腫瘤を認め,PET-CTにて左肺S6に径4cm大の空洞形成を伴った肺腫瘤を認めた.確定診断目的に乳房腫瘤に対し針生検を施行し,肺腫瘤に対してはCTガイド下針生検を施行した.病理検査にて肺転移を伴う乳腺紡錘細胞癌と診断されたが,急速に肺転移巣は増悪し,針生検より35日目に永眠された.今回われわれは,極めて急速に進行した乳腺紡錘細胞癌の1例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する.