日本外科系連合学会誌
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症例報告
膵のMixed acinar-endocrine cell carcinomaの1切除例
隈本 智卓小山 友己川村 雅彦川村 武池上 雅博矢永 勝彦
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2017 年 42 巻 5 号 p. 846-852

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抄録

症例は88歳女性.2カ月前からの食思不振,嘔気を自覚し近医受診後,精査目的に当院紹介となった.当院初診時,症状は心窩部の圧痛のみであった.上部消化管内視鏡検査にて胃穹窿部前壁,体下部小彎側に壁外性圧迫を認めた.単純腹部CTでは,胃小彎側に膵・肝に囲まれるように11cm大の腫瘤性病変を認めた.超音波内視鏡検査にて,胃体下部に筋層と境界が不明瞭な領域があり,胃原発の消化管間質腫瘍(Gastrointestinal stromal tumor)との診断で手術を施行した.術中所見にて,腫瘍は胃小彎側・膵体尾部に接しており,幽門側胃切除術,膵体尾部切除術,脾臓摘出術を施行した.術後病理診断にてMixed acinar-endocrine cell carcinoma of the pancreasとの診断に至った.術後半年の時点で再発,転移なく経過している.

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© 2017 日本外科系連合学会
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