日本外科系連合学会誌
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症例報告
Luminal Aサブタイプを呈した骨・軟骨化生を伴う乳癌の1例
辻尾 元柏木 伸一郎野土 希実大澤 政彦平川 弘聖大平 雅一
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2018 年 43 巻 1 号 p. 13-17

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抄録

骨・軟骨化生を伴う乳癌は,病巣内に骨化生や軟骨化生が認められる稀な腫瘍である.化生癌に分類されるため,トリプルネガティブ乳癌が多い.今回,Luminal Aサブタイプを呈した骨・軟骨化生を伴う乳癌の1例を経験した.69歳女性,右乳房腫瘤を主訴に当院紹介受診,右乳房上内側に約2cmの弾性硬の腫瘤を触知した.超音波検査では右乳腺A領域に1.5 cm大の低エコー腫瘤を認め,針生検にて浸潤性乳管癌であった.右乳癌cT1N0M0 Stage Ⅰと術前診断し,手術施行した(乳腺円状部分切除術).センチネルリンパ節に転移を認め,腋窩リンパ節郭清を追加した.線維化が高度であり,レース状の類骨様の基質産生を認め,骨・軟骨化生を伴う乳癌(pT1N1M0 Stage ⅡA)との最終診断に至った.ER強陽性,PgR強陽性,HER2陰性,Ki67 8%であり,Luminal Aサブタイプであった.

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© 2018 日本外科系連合学会
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