日本外科系連合学会誌
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臨床経験
ネラトンカテーテルによる子宮頸部絞扼を試みた2例の腹腔鏡下子宮筋腫核出術
佐藤 修藤本 俊郎
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2018 年 43 巻 1 号 p. 8-12

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抄録

腹腔鏡下子宮筋腫核出術は大出血のリスクのある手術であり,出血減少を目的に様々な方策が講じられている.今回われわれが子宮筋腫核出術対象の2症例に行ったのは,開腹手術と同様に子宮頸部を絞扼し出血を軽減する試みである.前後の子宮広間膜を貫通し,ネラトンカテーテルを通して固定し絞扼した.この状態で筋腫核出を行い縫合まで終了したのち絞扼を解除,カテーテルを抜去した.各症例で手術時間は3時間31分/2時間59分,出血量は200g/171gであった.とくに術中・術後の合併症を認めず術後4日目に退院となった.筋腫の大きさや位置,個数あるいは臓器癒着の有無によってカテーテルによる駆血の難易度,あるいは装着そのものの可否に差はあるが,適応のある症例では他の薬物や侵襲の大きい方法によらず出血量を減少させる可能性があり有用と考えられた.

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