2019 年 44 巻 2 号 p. 256-261
症例は45歳,男性.S状結腸憩室炎を保存的加療中に腸閉塞を発症した.腸閉塞が改善した後腹腔鏡手術を行う目的で,経肛門的にイレウス管を挿入した.翌日腸閉塞が悪化したため緊急手術を行った.イレウス管先端は瘻孔を通過し,回腸内に存在した.S状結腸切除,回盲部切除,回腸人工肛門造設を行った.S状結腸憩室炎は隣接する各種臓器に瘻孔を形成することが知られており,回腸への瘻孔形成も少数ではあるが報告を認める.経肛門的ドレナージは直腸S状結腸病変による腸閉塞に対して一般的な手技である.本症例ではイレウス管挿入後に造影による確認を行ったが,回腸内に挿入したことに気付かなかった.結腸憩室炎による腸閉塞に対して経肛門的ドレナージを行う際は,瘻孔形成の可能性を念頭に置く必要があると考えられた.