日本外科系連合学会誌
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症例報告
術前化学療法が無効であった乳腺Spindle cell carcinomaの1例
大城 良太芝 英一春日井 務
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2019 年 44 巻 4 号 p. 674-679

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抄録

症例は74歳女性.左乳癌(DCIS)に対し左Bp+SLNBを施行.術後4年目に他院のPET-CTで対側乳房(右)に集積像を指摘された.USで右C領域に12×5mmの不整な低エコー域を認め針生検を施行したが,乳腺症と診断され経過観察とした.5カ月後に右乳房腫瘤が出現し,USでも前回の生検部位付近に18×18mmの不整形腫瘤を認めたため再度針生検を施行.Spindle cell carcinoma(ER-/PgR-/Her2-,Ki67 index 26%)と診断した.遠隔転移は認めず術前化学療法を開始した.Weekly PTXの投与を開始したが,2クール施行後に腫瘍が増大.FEC75に変更し3クール施行するも腫瘍はさらに増大したため手術の方針とし,右Bt+SLNBを施行した.今回、術前化学療法が無効であった乳腺Spindle cell carcinomaの1例を経験したので報告する.

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© 2019 日本外科系連合学会
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