日本外科系連合学会誌
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原著
保存治療を行った膿瘍形成虫垂炎とUncomplicated appendicitisの比較
中堤 啓太牧野 洋知山岸 茂
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2020 年 45 巻 1 号 p. 1-6

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抄録

目的:膿瘍形成虫垂炎(AA)に対する治療方針の妥当性を検討する.方法:2014年5月から2017年12月の間に虫垂炎の診断で当院に入院し,保存治療を施行した189例を対象とした.解析1:AA群56例とUncomplicated appendicitis(UA)群133例の治療成績を比較した.解析2:待機的虫垂切除術を施行したAA群23例とUA群45例の周術期成績を比較した.結果:解析1:ドレナージ施行例はAA群11%,UA群2%(p=0.034),入院期間はAA群10日,UA群7日と差を認めたが(p<0.001),合併症は両群4%(p=0.999),再発はAA群14%,UA群20%と差を認めなかった(p=0.460).解析2:全例腹腔鏡下手術を施行した.術後在院日数は両群2日(p=0.819),合併症は両群4%(p=0.999)と差を認めなかった.結語:AAに対する保存治療は妥当と考えられた.

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