2020 年 45 巻 6 号 p. 786-791
症例は16歳,女性.食後の下腹部痛で来院.腹部造影CT検査で食物残渣(以下,食残)で拡張したMeckel憩室がみられ,その口側の腸管にも食残が貯留し腸閉塞であった.Meckel憩室の肛門側小腸に拡張はなかった.絞扼,壊死所見がないため保存的に経過をみたところ,腸閉塞は改善した.これまでも腹痛の既往があったことから待機的に腹腔鏡下Meckel憩室切除を行った.手術所見で憩室周囲の索状物,癒着および潰瘍などの炎症所見は認めず,初診時の腸閉塞は食餌性イレウスであったと考えられた.Meckel憩室に起因する食餌性イレウスは比較的稀であり報告する.