日本外科系連合学会誌
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症例報告
Bard Ventralight ST with Echo2を用いて腹腔鏡下に修復した白線ヘルニアの1例
森田 覚城崎 浩司宇田川 大輔成松 裕之谷 紀幸林 浩二
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2020 年 45 巻 6 号 p. 849-854

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抄録

症例は34歳男性で,上腹部痛を契機に当院を受診した.上腹部正中に鶏卵大の圧痛を伴う膨隆を認めた.CTで上腹部正中白線に約20mmの裂孔と脱出する大網を認め,白線ヘルニアと診断した.手術中,上腹部正中白線にヘルニア門を認め,同部より大網が脱出していた.鏡視下でこれを引き出し,嵌頓を解除後,IPOM(Intraperitoneal onlay mesh)に準じメッシュを腹腔側より固定し修復した.白線ヘルニアに対する腹腔鏡手術は,近年増加傾向にあるが短期・長期成績について一定の見解が得られていない.しかしながら,白線ヘルニアの再発率,一定の頻度で存在する多発症例,整容性を鑑みると腹腔鏡手術への期待は大きい.今回われわれは,Bard Ventralight ST with Echo2を用いて腹腔鏡下に修復した白線ヘルニアの1例を経験したため,文献的考察を加えて報告する.

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© 2020 日本外科系連合学会
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