2022 年 47 巻 1 号 p. 1-9
【目的】世界各国の外科医を対象とした「外科医の産休・育休とキャリア形成の現状に関する調査」の結果を分析し,外科医の産休・育休やキャリア形成に関しわが国が取り組むべき課題について考察した.【方法】回答者はsmartsurvey.co.ukにアクセスし子供の有無別・キャリア別の質問票に回答した.109名の日本人外科医(研修医:27名,専門医/指導医:82名)の回答を分析し,産休・育休に関する現状や子供のケアなどに関して検討した.【結果】日本では,育児中の外科系研修医の割合が7.4%と有意に低く,育休制度があるものの育休取得率が低かった.また育児と外科医のキャリア形成の両立が困難であると考えている医師の割合が有意に高かった.【結語】外科医の育休取得や育児期間中のキャリア形成を推進するために,ICTの活用,労働環境の見直し,勤務体制の多様化や家庭内の男女共同参画に取り組むべきだと考える.