2024 年 49 巻 4 号 p. 351-359
症例は73歳,男性.食道胃接合部腺癌cT2N0M0 cStageⅠを指摘されたが,臓器機能評価および高齢者機能評価(Geriatric assessment:GA)にて重度の慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease:COPD)とサルコペニアの併存を指摘され,耐術能なしと判断された.相談の結果,化学療法を導入する方針となったが,呼吸機能の改善を目的としてCOPDに対する薬物療法と栄養・運動療法による包括的介入を同時に行った.3カ月後,腫瘍の縮小とともに呼吸機能・栄養状態の改善を認め,耐術能ありと判断されたため,胸腔鏡下食道亜全摘術を施行した.術後は合併症を認めることなく第26病日で退院となった.重症COPDを合併した食道胃接合部癌患者に対してGA後に,多職種による包括的介入を行い,根治術を施行しえた1例を経験した.