2024 年 49 巻 4 号 p. 343-350
当院では乳房再建の希望がなく,高齢,糖尿病,感染合併例などハイリスク局所進行乳癌に対して初回手術時に人工真皮(PELNAC G plus®)を使用.断端陰性を確認した後,二期的に網状全層植皮を行なってきた.人工真皮併用症例5例全例で全層植皮術の生着は良好であった.しかしながら術後放射線治療を行った3例中1例で放射線治療後,難治性潰瘍が出現,その後の治療に難渋した.そこでthoracoepigasric(TE)flapと呼ばれる腹部の皮膚を皮膚欠損部に移動させる回転皮弁による胸壁再建を施行.現在まで2症例のTE flapによる胸壁再建を行ったが,術後経過は問題なく,更に早期に術後照射も安全に行えたため,その有用性について報告する.