日本外科系連合学会誌
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症例報告
高度の漏斗胸を伴い,両側胸腔鏡下食道切除術を施行した胸部食道癌の1例
植木 宏登内藤 哲也谷 達夫安部 舜末森 理美生沼 耕志
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2024 年 49 巻 4 号 p. 374-381

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抄録

症例は57歳,女性.食物通過障害を主訴に受診.精査の結果,食道癌〔MtLt〕cT3r(AD)N1M0 cStageⅢA(食道癌取扱い規約 第12版)と診断された.経口摂取困難,高度るい痩,腎機能低下を認めたため,術前化学療法は困難と考えられ手術の方針となった.高度漏斗胸のため右胸腔アプローチのみでの食道切除は困難と考えられ,両側胸腔鏡下食道切除術を施行した.術中トラブルなく手術を終了した.術後縫合不全を発症したが保存的に治癒した.第35病日に第2腰椎転移を認め,第40病日に腰椎後方固定術を施行したが,さらに多発性肝転移の出現,骨転移増大を認め全身状態が悪化し第67病日に永眠された.術後早期に遠隔転移をきたし原病死となったが,右胸腔からのアプローチに加え左胸腔アプローチを併施することにより良好な視野で安全に食道切除が可能であった.高度漏斗胸の食道癌患者に対して,両側胸腔鏡下食道切除術は有用な選択肢になり得る.

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