2024 年 49 巻 4 号 p. 411-416
76歳,男性.同時性肝転移(S2)を伴うS状結腸癌に対して腹腔鏡下S状結腸切除術,肝部分切除術(S2)を施行した.術後補助化学療法(XELOX4コース+Xeloda4コース)を施行したが,術1年後の造影MRIで肝S2,肝S6に新たな腫瘍を認めた.異時性多発性肝転移(S2,S6)の術前診断で手術の方針とした.再肝切除症例であったが腹腔鏡下に肝部分切除術(S2, S6)を施行することが可能であった.肝S2病変の病理結果は大腸癌肝転移であったが,S6病変は高分化型肝細胞癌であった.肝腫瘍の鑑別診断は,特に大腸癌切除症例において,難渋する症例も少なくないが,肝細胞癌の重複癌も念頭において慎重な術前評価が重要と考えられた.