日本外科系連合学会誌
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症例報告
短腸症候群の小腸ストーマから小腸ストーマ排液を腸瘻から投与し人工肛門閉鎖まで栄養状態を維持した1例
福尾 飛翔小川 雅生安田 拓斗奥村 哲豊田 翔濱野 玄弥山本 堪介川崎 誠康
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2024 年 49 巻 6 号 p. 493-499

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抄録

症例は80歳,男性.絞扼性イレウスに対して腹腔鏡下に大網を切離し絞扼解除を施行したが,術後5日目に上腹部痛を認めた.腹部造影CT(computed tomography)検査で十二指腸付近に膿瘍を疑う液貯留を認め試験開腹術を施行した.Treitz靭帯より70cm肛門側の小腸に穿孔を認め,穿孔部位を含め小腸を20cm切除し,Treitz靭帯より60cm肛門側の小腸で単孔式小腸ストーマを造設した.術後,経口摂取を開始したがストーマ排液は増加したため,経口摂取を継続するための工夫としてストーマ排液を直接腸瘻より投与した.手技を確立した上で,補液をせずに栄養状態も保つことができ自宅退院した.退院後,人工肛門閉鎖術を問題なく施行することができた.小腸ストーマによる短腸症候群に対して,ストーマ排液を直接腸瘻から投与することで経口摂取を継続させながら補液なしに人工肛門閉鎖まで栄養状態を維持できた症例について報告する.

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