2024 年 49 巻 6 号 p. 506-511
症例は70歳代,男性.便秘,腹部膨満を主訴に受診し,腹部CTでS状結腸腫瘍,多発性肝腫瘍を認めた.切除不能進行大腸癌の診断で横行結腸人工肛門造設術を行い,術中大腸内視鏡での生検で神経内分泌癌(Neuroendocrine carcinoma:NEC)と診断した.膵・消化管神経内分泌腫瘍診療ガイドラインに基づき,イリノテカン+シスプラチン療法を導入した.計5コース行ったが病状は進行し初診より7カ月で原病死した.遠隔転移を伴う消化管NECは極めて予後不良で,抗腫瘍薬の選択については小細胞肺癌に準じたプラチナ系薬剤を含む併用療法が推奨される.現時点で薬剤選択に関しては2次治療含めて確立されたものはなく,症例の集積と検討が必要である.今回われわれは多発性肝転移を伴ったS状結腸神経内分泌癌に対し集学的治療を行った1例を経験したので報告する.