日本外科系連合学会誌
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鎖肛術後の MRI 検査
posterior sagittal anorectoplasty 症例を中心に
辻 尚人棚野 博文鎌田 振吉岡田 正井村 賢治八木 誠窪田 昭男
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1994 年 19 巻 4 号 p. 75-79

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抄録

高位, 中間位の直腸肛門奇形術後症例17例にMRI検査を行い, その所見と術式, 病型, 臨床的排便機能との関連を検討した。 Mラインに相当する面 (Mライン面), Iラインに相当する面 (Iライン面) のいずれでも, 高位症例は中間位症例に比べ, より腸管周囲の排便に関与する横紋筋 (排便関連筋) の面積 (筋面積) が小さかった。Iライン面の筋面積は, Mライン面の筋面積に比べて大きく, Mライン面のみならず, Iライン面にみられる排便関連筋をも有用に利用することが根治術において重要と考えられた。筋の左右の偏位は, Mライン面ではposterior sagittal anorectoplasty (PSARP) 施行例, 他の術式施行例ともに認められたが, Iライン面ではPSARP施行例には認められず, これは筋を切開し, 直視下に操作を行える利点によるものと考えられた。筋の発育が不良で, 筋の偏位のある症例は, それ以外の症例より排便機能が不良であった。

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