日本外科系連合学会誌
Online ISSN : 1882-9112
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再発乳癌に対する集学的治療
化学内分泌療法を中心に
高橋 弘昌大川 由美田口 和典佐々木 文章秦 温信内野 純一
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1994 年 19 巻 4 号 p. 8-12

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抄録
【目的】再発乳癌症例の再発後生存率に対するCAF+TAM療法の影響を検討した。 【対象と方法】1960年から1992年までに当科で治療を行った再発乳癌138例を対象として, 1978年以前と1979年以降の2群で生存率を比較した。 【結果】再発症例全体では1979年以降に治療した群で有意な生存率の改善を認めた。転移臓器別に見ると骨転移単独例と肝転移のない肺転移例では生存率の改善を認めたが, 肝転移例では変化はなかった。 【まとめ】CAF+TAMによる内分泌化学療法は肝転移のない再発症例の生存率を向上させた。肝転移は再発乳癌治療における予後規定因子と思われ, これに対する治療法の確立が予後向上につながると思われた。
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