日本外科系連合学会誌
Online ISSN : 1882-9112
Print ISSN : 0385-7883
ISSN-L : 0385-7883
早期胃癌を合併した胃原発性悪性リンパ腫の1例
田辺 博飯田 豊
著者情報
ジャーナル フリー

1996 年 21 巻 1 号 p. 87-90

詳細
抄録
早期胃癌を合併した胃原発悪性リンパ腫の1例を経験した。症例は77歳, 男性。食欲不振を主訴として近医を受診しUGIにて胃の異常を指摘されて紹介された。内視鏡検査では胃体中部大彎側に深い潰瘍性病変と前庭部小彎側に低い隆起性病変を認めた。生検では体部が悪性リンパ腫, 前庭部が腺癌の所見であった。早期胃癌を伴った胃原発悪性リンパ腫の診断で平成5年7月20日手術を施行, R2リンパ節郭清を伴う胃全摘を施行した。摘出標本では胃体部大彎側にBorrmann III型の病変があり前庭部には2.5×2cmの低い隆起性病変を認めた。組織学的にはmalignant lymphoma foicular lymphoma medium sized cell type, sm, ly0, v0とwell differenciated adenocartinoma, m, ly0, v0であった。同一胃内に胃癌と胃悪性リンパ腫が共存することは比較的まれであり報告する。
著者関連情報
© 日本外科系連合学会
前の記事 次の記事
feedback
Top