抄録
乳癌に対する縮小手術として, 大小胸筋翻転温存乳房切除術を開発・施行するとともに, 主に横方向腹直筋皮弁 (TRAM flap) を用いた即時乳房再建術を施行し, その効果を検討した。過去5年間に, 149例の乳房切除例中, 122例 (81.9%) が即時乳房再建術を希望し, 施行した。乳頭・乳輪は, 20例に再建し, 31例に温存した。年齢や臨床病期による再建率に差はなく, 70歳以上であっても3例の再建希望者があった。再建により局所再発が被覆されることはなく, その早期に発見可能であると考えられた。無記名アンケートでは, 88%の患者が再建乳房に満足していた。さらにほとんどの患者に乳房喪失感がなかった。以上より, 即時乳房再建術は, 乳房切除術を受ける患者のQOLを十分向上させ得る術式と考えられ, 乳房切除術を受けるすべての女性に対し, optional surgeryとしてinformすべきであると考えられた。