日本外科系連合学会誌
Online ISSN : 1882-9112
Print ISSN : 0385-7883
ISSN-L : 0385-7883
マイクロ波組織凝固装置を用いた肝部分切除術後の合併症の検討
畠山 洋一佐藤 勤浅沼 義博小山 研二
著者情報
ジャーナル フリー

1996 年 21 巻 2 号 p. 188-191

詳細
抄録
マイクロ波組織凝固装置microwave tissue coagulator (以下MTC) を用いた肝硬変合併肝癌に対する肝部分切除術後の合併症を, MTC非使用例と比較, 検討した。対象45例中, MTCを用いた34例では, MTCを用いなかった11例に比して, 手術時間は有意に短縮され, 術中出血量は有意に減少しており, MTC使用により手術侵襲は軽減されると考えられた。一方, 両群の術後合併症を比較すると, 胆汁漏出発生率に有意差はなかった。腹腔内出血はMTC使用群のみに29.4%と高頻度に認められ, 第2, 第3病日での出血もみられた。腹腔内感染発生率は, 有意差はないもののMTC使用群で38.2%と, MTC非使用群の9.1%に比して高値であった。これらの合併症によりドレーン留置期間はMTC使用群で有意に延長した。以上よりMTCの使用は, 肝硬変が高度で肝流入血行遮断や肝脱転などの操作を回避したい症例に限るべきであると考えられた。
著者関連情報
© 日本外科系連合学会
前の記事 次の記事
feedback
Top