日本外科系連合学会誌
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腹腔鏡下胃局所切除後に開腹胃切除術を要した1胃癌症例について
小林 利彦櫻町 俊二木村 泰三
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1996 年 21 巻 6 号 p. 1007-1011

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抄録
症例は67歳, 男性。心窩部の不快感を主訴に来院し, 胃内視鏡検査にて胃角小弯に大きさ15×12mmのIIc病変 (印環細胞癌) が指摘された。潰瘍形成がなく超音波内視鏡検査にてM癌と判断されたため, 局所切除の適応ありと考え, 腹腔鏡下胃局所切除術が行われた。切除標本をEMRに準じ詳細に検索した結果, 一枚の切片でsm癌であったため後日幽門側胃切除術が追加された。しかし, 追加切除胃に遺残腫瘍はなく, 郭清リンパ節にも転移は認められなかった。本症例は当施設の胃癌局所切除術の適応病変 (UL (-) M癌, 分化型3cm以下, 未分化型2cm以下) ではあったが, 未分化型癌における術前評価の困難性と本術式選択にあたっての慎重性, および切除標本に対する厳格な病理組織学的検索の必要性を示した1例であると思われた。
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