1997 年 22 巻 2 号 p. 202-208
ヘリカル CT による肝, 胆, 膵疾患の3次元表示方法と臨床的有用性について, 術前検査として実施された81例の自験例をもとに検討した。肝腫瘍では腫瘍の区域診断や周囲血管との立体的位置関係の把握, 術前のシュミレーションや容積計算に有用であった。膵腫瘍や慢性膵炎では門脈系静脈の評価や病変との位置関係の把握に有用であった。胆道系病変では門脈系静脈の評価や3 D-CT cholangiographyによる胆道解剖の把握に有用であった。これらの3次元画像は非侵襲的で多くの情報を得ることが可能であり術前検査としての有用性が示唆された。