日本外科系連合学会誌
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ブタ膵ラ島凍結保存法開発のための基礎的研究
至適凍結条件の検討
宮本 正章大柳 治正田中 勝喜剣持 敬Yoko Mullen
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1997 年 22 巻 2 号 p. 209-214

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抄録

凍結保存リンパ球は, 移植前後の種々の組織適合性試験におけるtypingやmatchingあるいは移植後のdonor graftに対するrecipientの免疫反応の評価等, 移植免疫研究において非常に有用であり, さらに反復した試験の再現をも可能とする。われわれは, recoveryに優れたブタ膵ラ島凍結保存法開発を最終目的とした種々の基礎的な至適凍結条件検索のため, そのpreliminary testとしてtrypan blue染色により凍結解凍リンパ球の% viability を算出し検討を加えたので報告する。その結果, 成熟ブタリンパ球に対する最も優れた至適凍結保存条件は, 凍害防御剤としてのDMSO濃度は5%とし, programmed freezerを使用し, 凍結用 mediumとしてRPMI 1640 を使用し, さらに10% FBS を添加した場合と判明した。これらの基礎的な検討結果は, 今後種々の動物種のリンパ球および膵ラ島凍結保存法に応用できうる可能性がある。

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