日本外科系連合学会誌
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消化器外科手術における適正な輸血準備
Type & Screenと自己血輸血の導入
小林 利彦木村 泰三数井 暉久
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1998 年 23 巻 1 号 p. 109-112

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抄録

過去の手術症例を再検討して, 術中出血が600g未満と思われる術式はT&Sとし, 600g以上と思われる術式にはMSBOSに基づいた, 自己血貯血を基本とする輸血準備を行った。これまでにT&S症例は46例あり, 術中輸血は3例 (6.7%) で必要となったが, いまだトラブルは生じていない。自己血輸血症例は47例であり, 平均貯血量は629ml, 術中出血は平均907gであった。自己血の使用状況はMAP82.8%, FFP93.4%であり, 26例 (55.3%) で同種血輸血の追加が回避できた。本方式の導入によってC/T比は著明に低下したが, 血液製剤の有効利用という面では, 同種FFPの安易な使用があり反省すべき点も多いと思われた。なお, T&Sや自己血輸血の導入は, 医師およびパラメディカルに対する啓蒙の面でも有効と考えられた。

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