日本外科系連合学会誌
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びまん浸潤型大腸癌の3例
石川 啓三根 義和吉田 一也南 寛行本庄 誠司佐々木 伸文中村 譲岩崎 啓介
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キーワード: 大腸癌, びまん浸潤型
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1999 年 24 巻 1 号 p. 90-94

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抄録
1982年から96年までの15年間における初発大腸癌922例の中で, びまん浸潤型大腸癌は3例 (0.3%) であった. 症例1は66歳, 男性で占居部位はRb, 腹膜播種と骨転移があり, 病理ではPor, ss, ly3, v1, n2 (+), ew (+) でstageIV, 術後1ヵ月で死亡した。症例2は63歳男性で, 占居部位はRa, 病理ではPor, se, ly3, v2, n3 (+), ew (+) であり, stageIIIb, 術後7ヵ月で局所再発死亡した。症例3は68歳, 男性で, 占居部位はRb, 病理ではPor, se, ly1, v0, n2 (+), ew (+) であり, stageIIIb, 術後13ヵ月で局所再発で死亡した。びまん浸潤型大腸癌の3例は, いずれも占居部位が直腸であり, 組織型は低分化腺癌, リンパ管侵襲とリンパ節転移が高度であり, 根治度Cで予後は著しく不良であった。
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