日本外科系連合学会誌
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消化管術後縫合不全に対し超酸化水洗浄を用いた2治験例
竹村 雅至岩本 広二合志 至誠
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1999 年 24 巻 1 号 p. 95-98

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抄録
消化管術後縫合不全の2例に対し, 超酸化水洗浄により良好な結果を得た。症例1は57歳・男性。上行結腸癌に対し右半結腸切除術施行後, 術10病日よりドレーンより便汁の排出を認めた。当初, 生理食塩水を用いたが, 術50病日より超酸化水洗浄を開始した。術66病日にドレーンを抜去し, 退院した。症例2は, 33歳・男性。下腹部鈍性外傷に対し, 保存的加療を行ったが入院20病日より発熱があり, 腹壁内に膿瘍を認めた。小腸の腹壁への癒着穿通および直腸穿孔を認めた。小腸は端々吻合を行い, 直腸は直接縫合した。術後, ドレーンより便汁の排出を認めたため, 超酸化水で洗浄を行い, 術65病日にドレーンを抜去できた。超酸化水は局所刺激症状など副作用はなく生理食塩水と比較し, 殺菌作用が強く肉芽増生も早いため, 感染創に対しての洗浄液としての使用は有用であると思われた。
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