日本外科系連合学会誌
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大腸癌肝転移切除後再発予防としての肝動注化学療法の有用性
東野 健大里 浩樹今本 治彦蓮池 康徳高塚 雄一
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1999 年 24 巻 2 号 p. 182-186

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抄録

大腸癌肝転移の治癒切除後の再発予防目的としての肝動注化学療法の有用性を間欠動注および予防動注療法について検討した。1986年から3年間の11例にADMあるいはMMCの間欠動注を行い, 同時期までの32症例と比較したが無再発生存率, 累積生存率とも明らかな差を認めず, 再発予防効果は認めなかった。1993年から1995年の症例では, 5FUの持続動注の予防効果についてrandomized studyを行った。6週間で12gを投与した動注群 (n=9) の無再発生存率は1, 2, 3年とも77.8%で, それぞれ50.0, 30.0, 20.0%であった対照群 (n=10) より有意に良好であった (p=0.0338) 。累積生存率では有意な差は認めなかったものの, 動注群では良好な傾向を認めた。期間を限定した5FUの予防動注は肝切除後の再発予防に有用であると考えられた。

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