日本外科系連合学会誌
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出血性胃潰瘍第一選択手術術式の再考
矢野 正雄猪口 正孝白木 康夫
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1999 年 24 巻 2 号 p. 222-225

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抄録
出血性胃潰瘍に対する緊急手術は迷走神経切離を伴う幽門側胃切除が主流であった。しかし内視鏡的止血術が進歩し, 出血性胃潰瘍のために手術に至る症例は, 全身状態不良な症例が多い。薬剤の発達, 手術の低侵襲化, 残胃癌の問題等を鑑みると, 幽門側胃切除術は過大術式ではないかと考えた。そこでわれわれは出血性胃潰瘍手術例に対し, 全例に低侵襲の止血縫合術を施行している。全例全身状態不良であったが, 再出血例は認めていない。極めて迅速, 簡便, 確実で有効であり低侵襲な術式である。救命だけではなく, 胃機能温存, 残胃癌等の問題を考えても, 今後第1選択術式として妥当なものと考えられた。
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