日本外科系連合学会誌
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リンパ節転移を認めた隆起型粘膜内癌の2症例の検討
竹國 恭司平塚 正弘古河 洋今岡 真義石川 治甲 利幸佐々木 洋亀山 雅男大東 弘明安田 卓司村田 幸平山田 晃正
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1999 年 24 巻 2 号 p. 256-259

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抄録
従来, 隆起型粘膜内癌ではリンパ節転移は非常にまれとされ, 内視鏡的粘膜切除術の適応となっているが, われわれの施設ではリンパ節転移を認めた隆起型粘膜内癌2例を経験した。これらはともに分化型で, リンパ管侵襲, 静脈侵襲はなく, 最大径が20mm以上であった。転移リンパ節は最も近位番号のリンパ節であった。他施設からの報告をあわせると, 転移部位は胃下部では3番, 4番, 6番リンパ節, 胃中部では3番リンパ節であったが, 隆起型粘膜内癌においてリンパ節転移例の明らかな特徴はなかった。さらにこれらの症例の周囲粘膜の性状を調べたが, 背景粘膜の性状からも特徴は指摘できなかった。これらのことから20mm以上の隆起型粘膜内癌においては, 一部リンパ節郭清を含む縮小手術の適応であると考える。
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