日本外科系連合学会誌
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外傷性皮膚欠損創における人工真皮の使用経験
山田 真人新澤 博子石黒 匡史内沼 栄樹
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キーワード: 人工真皮, 外傷, 皮膚欠損
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1999 年 24 巻 4 号 p. 619-624

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抄録
人工真皮はシリコン膜とコラーゲンスポンジの2層構造を持ち, 全層皮膚欠損創に貼付すると, コラーゲンスポンジ内に組織が入り込み真皮様組織を構築する。従来の被覆材とは使用目的や使用方法が異なる新しい医療材料である。今回著者らは一期的創閉鎖が困難な外傷性皮膚欠損症例10例に対し人工真皮を用い二期的に植皮術を行い良好な結果が得られた。人工真皮の利点として早期に移植床の再建が可能, 創面状態を透明なシリコン膜を通して観察できる, ガーゼ交換時の疼痛の軽減などがあげられた。欠点として2回手術が必要になることがあげられた。外傷における創の管理として感染予防があり, 人工真皮を含め創傷被覆材を使用した場合, 十分なデブリドマンと局所の観察が必要である。
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