日本外科系連合学会誌
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縦隔内気管損傷の手術例の検討
服部 良信入山 正渡辺 浩次根木 浩路山下 満武田 功杉村 裕志山本 徹金子 完杉村 修一郎
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1999 年 24 巻 4 号 p. 625-628

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抄録
5例の縦隔内気管損傷の手術経験を得たので考察を加えて報告した。症例1は43歳, 男性。乗用車で電柱に衝突し受傷した。気管分岐部中枢側の不完全断裂で, 右後側方開胸で損傷部を端々吻合した。症例2は51歳, 男性。乗用車で電柱に衝突し受傷した。中部気管の不完全断裂で, 胸骨正中切開で損傷部を端々吻合した。症例3は63歳, 男性。建築機械に胸部を挾まれ受傷した。気管分岐部中枢側の膜様部裂創で, 右後側方開胸で損傷部を直接縫合した。症例4は58歳, 女性。気管支喘息重積発作による人工呼吸器管理中に発生した気管分岐部中枢側の模様部裂創で, 右後側方開胸で損傷部を直接縫合した。症例5は56歳, 男性。下咽頭腫瘍で喉頭全摘食道再建術中に, 縦隔内気管の膜様部を損傷し, 仰臥位右前方腋窩開胸で損傷部を直接縫合した。5例とも修復術後の縫合不全や狭窄もなく治癒したが, 症例4は術後2カ月で喘息による呼吸不全で死亡した。
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