日本外科系連合学会誌
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胃癌に対する腹腔鏡下縮小手術
宇山 一朗杉岡 篤松井 英男小森 義之藤田 順子蓮見 昭武
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2001 年 26 巻 4 号 p. 1035-1041

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抄録
リンパ節郭清を必要とする早期胃癌に対し, 開腹術と同等な縮小手術を腹腔鏡下に施行しているので手技と成績を報告する。適応 : (1) 内視鏡的粘膜切除の適応外でcT1 (M), cN0の症例。 (2) cT1 (SM), cN0で分化型では1.5cm以下, 未分化型では1.0cm以下の症例を対象としている。術式 : M癌では神経温存D1+#7, もしくはD1+#7, 8a郭清を, SM癌では神経を切離したD1+#7, 8a郭清を行っている。切除範囲は癌腫の占拠部位により, 幽門側切除 (DG), 幽門保存切除 (PPG), 噴門側切除 (PG) を選択している。結果 : 合計33例のリンパ節郭清を伴う腹腔鏡下縮小手術を施行した。開腹移行例, 術中輸血症例はなく, 術後合併症も開腹術と同等の発生頻度であった。結語 : 腹腔下に施行されている現行の縮小手術は腹腔鏡下に施行可能であり, 早期胃癌に対する腹腔鏡下縮小手術は標準術式になりうると考えられる。
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