日本外科系連合学会誌
Online ISSN : 1882-9112
Print ISSN : 0385-7883
ISSN-L : 0385-7883
男性化副腎皮質腺腫におけるACTH反応性
今井 常夫菊森 豊根横井 一樹日比 八束柴田 有宏舟橋 啓臣中尾 昭公
著者情報
ジャーナル フリー

2002 年 27 巻 1 号 p. 24-32

詳細
抄録

5例の男性化副腎皮質腺腫において副腎皮質刺激ホルモン (ACTH) 反応性について検討した。血中, 尿中男性ホルモンは5例すべてで増加していた。デキサメサゾン負荷で血中, 尿中男性ホルモンは抑制されず, ACTH負荷で増加しなかった。3例で副腎遊離細胞を作成しステロイドホルモン産生能を検討した。腺腫細胞ではデヒドロエピアンドロステロン (DHEA) を主とし少量のテストステロンも産生していた。2例でステロイド合成酵素の免疫組織学的検討を行った。各段階の合成酵素はすべて発現を認め特に腺腫細胞で17α水酸化酵素の発現が強かった。ACTH受容体の遺伝子発現をノーザンブロット解析で検討した。腺腫に附随する非腫瘍部の副腎では発現が認められたが腺腫ではACTH受容体は発現していなかった。男性化副腎皮質腺腫においてACTHに無反応である原因は腺腫においてACTH受容体が発現していないためと考えられた。

著者関連情報
© 日本外科系連合学会
前の記事 次の記事
feedback
Top