2003 年 28 巻 2 号 p. 147-153
肝硬変・門脈圧亢進症例にHassab手術を施行した8例 (A群), S状結腸癌に対してS状結腸切除術を施行した7例 (B群), 転移性肝癌に対して肝部分切除術を施行した11例 (C群) を対象として, 血清ヒアルロン酸 (HA), IV型コラーゲン7S (7S), interleukin 6, human-hepatocyte growth factorを経時的に測定した。A群は全例が術後systemic inflammatory response syndrome (SIRS) となり, その内6例に術後合併症を認めた。HA値, 7S値はA群でB, C群に比べて手術前後で有意 (p<0.01) に高値をとった。Hassab手術前後のHA値, 7S値は, 術後SIRS例を評価する上で有用なマーカーであると考えられた。