日本外科系連合学会誌
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S状結腸癌に対する腹腔鏡補助下S状結腸切除術の有用性に関する検討
山村 卓也佐治 攻芦川 和宏野田 真一郎花井 彰山田 恭司山口 晋
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2003 年 28 巻 4 号 p. 710-714

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抄録
腹腔鏡を併用し小開腹創からリンパ節郭清を行った (LAC mini法 : L法) S状結腸進行癌30例を対象とし低侵襲性, 根治度, 技術の習得度, 経済性などを開腹下D3郭清29例と比較して評価した。出血量, 排ガス時期についてはL法の方が開腹手術より優れていた。手術時間, 歩行開始時期, 鎮痛剤の使用回数, 術前後の白血球数比, 摘出リンパ節個数については差はみられなかった。術後在院期間, 入院費用はL法の方が少なかった。手術の習得度を前期, 後期に分けて検討すると手術時間は後期で25分短縮がみられた。気腹時間に差はみられなかったが, 小開腹の手術時間は20分短縮していた。出血量は90ml減少した。以上からLAC mini法によるS状結腸切除術は低侵襲であると同時に容易に取得できる手術法である。また術後の入院期間や入院費用は開腹手術より良好である。
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