日本外科系連合学会誌
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乳腺顆粒細胞腫の1例
青木 信彦天野 定雄増田 英樹根岸 七雄
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2005 年 30 巻 6 号 p. 851-855

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抄録

症例は48歳, 女性。約3カ月前より右乳房腫瘤 (AC) を自覚して来院した。触診上4×4cmの境界ほぼ明瞭な可動性良好の固い腫瘤を認めた。マンモグラフィ, CTでは境界ほぼ明瞭 (一部不整) な腫瘤であったが, 乳房超音波検査では辺縁不整, 内部不均一, 後方echo減弱著明であった。穿刺吸引細胞診ではclass IIであったが, 画像上悪性を否定できないため, 全身麻酔下に腫瘤摘出術を施行した。術中迅速病理診断は顆粒細胞腫であった。乳腺に発生する顆粒細胞腫は比較的稀な腫瘍であるが, 臨床像が乳癌と類似しており, 誤診しやすいので, 顆粒細胞腫を念頭においた鑑別診断が重要である。今回われわれは乳腺に発生した顆粒細胞腫を経験したので若干の文献的考察を加え報告する.

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