日本外科系連合学会誌
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大腸内視鏡で診断した回腸悪性リンパ腫による成人腸重積症の1例
新見 行人渡辺 明彦石川 博文山本 克彦大山 孝雄山田 高嗣
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2005 年 30 巻 6 号 p. 885-889

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抄録

症例は49歳男性。腹満感を愁訴に当院受診した。腹部単純X線検査でNivea像あり, 腸閉塞の診断で当科紹介された。腹部CT検査では上行結腸に腫瘤を伴った同心円状の層状構造を認め腸重積と診断した。大腸内視鏡検査で, 粘膜下腫瘍を先進部とした回腸がBauhin弁から上行結腸に重積していた。内視鏡的整復は不能であったため緊急手術を施行した。重積腸管をHutchinsonの手技により整復すると, 回腸末端より10cmに漿膜浸潤を有する径3cmの粘膜下腫瘍を認め, 所属リンパ節を含め回腸部分切除を行った。病理診断は悪性リンパ腫 (diffuselargecell type, B細胞性) であった。術後補助化学療法施行後, 現在再発徴候を認めず経過観察中である。今回, 比較的稀な悪性リンパ腫による成人腸重積症を経験したので, 若干の文献的考察を加えて報告する。

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