2005 年 30 巻 6 号 p. 894-897
症例は41歳女性。臍下部痛の精査加療目的に緊急入院となった。入院後症状は軽快せず, CRPは経時的に上昇した。注腸検査にて腸回転異常 (non-rotation) を認め, 盲腸に陰影欠損像がみられ, 虫垂は造影されなかった。腸回転異常, 虫垂炎と診断し, 入院後4日目に手術施行, 臍下部の小切開下に虫垂切除・腹膜炎ドレナージを施行した。術後12日目に軽快退院した。腹部急性疾患の診断において稀であるが腸回転異常症の併存の可能性を念頭におく必要があると考えられた。