日本外科系連合学会誌
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サイトカインの変動からみた免疫賦活併用凍結治療の効果予測法について
野中 健一長田 真二奥村 直樹坂下 文夫松井 康司杉山 保幸佐治 重豊
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2006 年 31 巻 1 号 p. 33-38

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抄録
免疫賦活剤polysaccharide-Kurehaと全身化学療法併用下の局麻下穿刺式凍結手術の治療効果予測を血清サイトカインの術後変動から検討した。PCSは穿刺式細径プローブからなる凍結装置を用いた。液体窒素を用い局所麻酔下に超音波ガイド下で週1度の割合で穿刺法にて凍結・融解し, 有効例と無効例につき比較検討した。対象は切除不能胆管細胞癌の2例で, 血中CRPとamyroid A値は治療後共に増加した。TNF-α値は有効例では著明に上昇し, IL-10の発現が抑制され, IFN-γ/IL-4比から評価したTh1/Th2比が高値を示した。しかし, 無効例ではTNF-αの増加はみられず, IL-10が上昇しTh1/Th2比が低値のままであった。以上の結果, Th1/Th2比とサイトカイン値の術後推移から凍結手術の治療効果が予測可能と推察された。
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