2006 年 31 巻 6 号 p. 925-928
症例は53歳, 女性。左乳房腫瘤を主訴に来院。左乳房C領域に辺縁不整な腫瘤を触知した。マンモグラフィでは境界不明瞭な腫瘤を認め, CategoryIVと診断された。超音波検査では直径9mmの腫瘤として描出された。穿刺吸引細胞診では悪性の診断であった。全身検索を施行したところ, 骨シンチグラム検査で第4肋骨にHot Spotを認めた。整形外科に相談したところ, 原発性骨腫瘍が疑われるとの回答を得た。乳房の手術を先行することとし, 乳房円状部分切除術+センチネルリンパ節生検術を施行した。病理組織診断は純粋型乳腺管状癌, ER (+), PgR (+), HER-2 Score0であった。2週間後に骨病変に対して手術を施行。病理組織診断は良性の骨芽腫であった。残存乳房に50Gyの術後補助放射線療法を施行後, Aromatase inhibitor剤の投与を行った。術後4年2ヵ月が経過した現在, 再発の徴候を認めていない。