日本外科系連合学会誌
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急性膵炎を契機に発見された膵solid-pseudopapillarytumorの1例
守本 芳典河本 和幸朴 泰範小笠原 敬三
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キーワード: 急性膵炎, SPT, 免疫組織化学
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2006 年 31 巻 6 号 p. 992-995

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抄録

症例は31歳, 女性。腹痛と腹部膨満感にて救急外来を受診した。血液検査にてアミラーゼ高値と, 腹部CT検査より急性膵炎と診断された。膵尾部の浮腫, 液貯留とともに, 膵体部に約4cm大の不均一に造影される腫瘤が認められたため, 膵炎軽快後, 膵腫瘤に対して膵体尾部切除術, 脾摘出術が施行された。腫瘤は充実性部分を主体とし, 内部に出血性壊死を含み, 一部に被膜を有する嚢胞状変化を認めた。病理組織学的には, 充実性部分は偽乳頭状配列を伴い, 免疫組織化学的にはVimentin, α/1-antitrypsin, CD10, CD56陽性でSolid-pseudopapillary tumor (SPT) の特徴を示していた。

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