日本臨床スポーツ医学会誌
Online ISSN : 2758-3767
Print ISSN : 1346-4159
脳振盪後に段階的競技復帰を実践した自転車競技選手の一例
佐々木 雄大熊井 司
著者情報
ジャーナル フリー

2023 年 31 巻 1 号 p. 212-216

詳細
抄録

本症例は大学生自転車競技選手に生じた脳振盪例であり,自転車競技および対象となる選手のトレーニング環境を考慮した段階的競技復帰(Graduated Return To Playing;GRTP)を調整し,競技への復帰支援を行った.それにより急な運動負荷を避け,症状と回復の程度に応じた段階的復帰が可能となったものと考えられる.また,本症例の経験を踏まえ,大学生自転車競技に適したGRTP の修正点として,GRTP の第2 段階において競技を実施せずに症状の無い日常生活活動を送る期間を1 週間以上設けること,そして修学に関する段階的基準を設ける必要性が考えられた.

著者関連情報
© 2023 一般社団法人日本臨床スポーツ医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top