日本臨床スポーツ医学会誌
Online ISSN : 2758-3767
Print ISSN : 1346-4159
発育期野球選手におけるポジション別の腰椎分離症と身体特性の関連
栗田 剛寧鎌苅 翔平三瀬 貴生南谷 哲司
著者情報
ジャーナル フリー

2024 年 32 巻 3 号 p. 446-453

詳細
抄録

発育期野球選手のメディカルチェック(MC)の結果から,ポジション別の腰椎分離所見と身体特性の関連について検討した.対象者は12年間で258名であり,スポーツ推薦で高校硬式野球部に入部が決まっている中学3年生を対象とした.腰椎分離所見を有する選手(P群)とそれ以外の選手(N群)をポジション別で各MCにて比較検討した.全体でのP群とN群の各MC項目に有意差はみられなかった.ポジション別のP群とN群の各MC項目では,捕手の体脂肪率はP群20.2±4.0%,N群16.7±4.8%でP群が有意に体脂肪率は高く,捕手の全身関節弛緩性テスト(GJL)の合計点はP群2.3±1.3点,N群1.1±0.8点でP群が有意に点数は高かった.2 項ロジスティック回帰分析では,捕手の体脂肪率(p<0.05)とGJL(p<0.01)がP群の独立した因子として残った.捕手に関してP群はN群より,体脂肪率が高くGJLの点数も高いことが分かった.以上より,発育期野球選手のMCの結果から,捕手において身体特性と腰椎分離所見の関連が認められた.

著者関連情報
© 一般社団法人日本臨床スポーツ医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top