2024 年 32 巻 3 号 p. 459-466
(背景)膝前十字靱帯損傷の予防には,着地時の危険肢位とされる膝の内側移動(knee-in)の抑制が重要である.そこで我々は弾性素材を用いて片側下肢に装着する弾性ストラップを考案した.本研究の目的は着地動作の三次元的分析により,弾性ストラップのknee-inに対する制御効果を明らかにすることとした. (対象と方法)knee-inを呈する女子大学生25名(19.6±0.7歳)を対象とした.大殿筋および縫工筋の走行に近似させた螺旋形状の弾性ストラップを,Compression wear(以下CW)上に装着した条件(弾性ストラップあり)と,CWのみの条件(弾性ストラップなし)にて,30cm台からの片脚着地動作を実施した.動作の安定した3 試行を採用し,着地前(-40ms),着地時(0ms),着地後40ms後および80ms後までを解析対象とした.計測は三次元動作解析装置を使用し,関節角度を算出し,2 条件間での比較を行った. (結果)弾性ストラップありは弾性ストラップなしと比較し,着地前の股関節内旋と着地時(0ms)から80msの股関節内転と内旋角度および膝外反角度が有意に減少した. (結語)弾性ストラップは着地動作において,knee-inの要因である股関節内転と内旋,膝関節外反を抑制した.