中毒研究
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症例報告
溶血性貧血の鑑別診断に難渋した塩素酸塩中毒の1 例
高山 和之, 大野 雄康, 山田 勇, 小谷 穣治
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2026 年 39 巻 3 号 p. 240-244

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抄録

【はじめに】塩素酸塩は非選択性除草剤として用いられ,経口摂取時にメトヘモグロビン生成を伴う溶血や腎機能障害,播種性血管内凝固症候群など,さまざまな中毒症状を起こし得る。過去の報告では治療が遅れた場合の経過は知られていない。

【症例】67歳,女性。倦怠感を主訴に前医を受診され,貧血と間接ビリルビン優位の⻩疸,急性腎障害,線溶亢進を認め,同日精査目的で神戸大学医学部附属病院に紹介となった。血清は濃灰色で,塗沫で破砕赤血球はなく,ghost cell 様の赤血球や球状赤血球を認めた。追加で病歴を聴取すると,10日前に塩素酸塩を50%含む除草剤を飲んだことが判明した。メトヘモグロビン濃度は3.3%と軽度の上昇を認め,入院翌日から1週間の持続的腎代替療法を行い,その後は間欠的腎代替療法に移行し,17日目に離脱した。入院29日目に転院となった。

【結語】内科疾患との鑑別に苦慮した塩素酸塩中毒の1例を報告した。服毒から10日間ほど経過していたが,腎機能障害は可逆的であった。

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