抄録
症例は64歳女性.2005年より完全右脚ブロックにて他院にてフォローされていたが,2007年7月より心不全症状が出現し,精査にて心サルコイドーシスの診断となる.UCGにて心室中隔基部の菲薄化と右室側への瘤化の進行を認めたため当科を紹介された.UCG上EF40%と壁運動の低下を認めたが,特に中隔基部の右室側へのdyskinesisが心不全の原因と考え手術施行した.右房,右室,大動脈切開にて菲薄化部分を特定し,これを切除したのち,4×3 cmのダクロンパッチにて修復した.完全房室ブロックに対しては両室ペーシングができるように右室と左室後面にリードを置いたDDDペースメーカーを移植した.術後経過は良好であった.病理所見では正常心筋と菲薄化した部分の境界部に非乾酪性類上皮肉芽腫を認め,心サルコイドーシスの診断であった.心サルコイドーシスの外科治療はまれであり,特に中隔切除を必要とする場合外科手技上種々の問題を有するため報告する.