日本心臓血管外科学会雑誌
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症例報告
弁膜症術後に ACTH 単独欠損症が判明した1症例
佐藤 愛子穴井 博文和田 朋之濱本 浩嗣嶋岡 徹首藤 敬史坂口 健後藤 孔郎吉松 博信宮本 伸二
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2010 年 39 巻 4 号 p. 187-190

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抄録

僧帽弁閉鎖不全症,三尖弁閉鎖不全症の術後に著しい低血圧,低血糖を来たし,精査の結果副腎皮質刺激ホルモン(adrenocorticotropic hormone,以下ACTH)単独欠損症が判明した症例を経験した.症例は59歳,男性.下腿浮腫の精査を行ったところ弁膜症を指摘され薬物治療を受けていた.急性心不全を来たしたため僧帽弁形成術,三尖弁弁輪縫縮術およびMAZE術を行った.人工心肺離脱したがその直後より低血圧を呈し,輸液負荷,カテコラミン投与を行うも収縮期血圧が40 mmHgより上昇しなかった.アナフィラキシーショックを考慮しバソプレッシンとヒドロコルチゾン投与行ったところ血圧改善を認めた.術後12日目,低血糖による意識障害を起こし,糖大量持続投与にもかかわらず低血糖発作を繰り返した.精査にてACTH単独欠損症と判明した.ヒドロコルチゾン20 mg内服開始したところ血圧,血糖改善し経過良好である.

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