日本心臓血管外科学会雑誌
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症例報告
間歇性跛行にて発症した膝窩動脈外膜嚢腫に対する1手術例
——本邦における報告116例の検討を含めて——
高橋 英樹西岡 成知莇 隆
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2010 年 39 巻 4 号 p. 220-225

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抄録

症例は21歳の男性.2カ月前より左下肢の間歇性跛行(約400 m 程度)を認めた.Ankle brachial pressure index(ABI)(左)=0.66と低下していた.下肢血管3D-CT検査にて膝上部膝窩動脈の分節的な完全閉塞とその部位に内部が均一で境界明瞭な低濃度の吸収域を認めた.手術は動脈切除術,自家静脈移植術を施行した.術後のABI(左)は1.01へ改善し,間歇性跛行も消失した.病理組織学所見も膝窩動脈外膜嚢腫に合致し,嚢腫は外膜に存在していた.経過は良好であり,術後14カ月の現在も再発なく経過している.

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© 2010 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
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